定冠詞の様々な用法
冠詞の基本的な用法として「theは話者の間で特定される場合に使う」と説明しました。
文法書でtheを使う場合の類型として挙げられるものは、他にもいくつかあります。
それぞれ「個別の公式」のように捉えて暗記することを勧める参考書もありますが、基本的なイメージを応用すれば全て解決できます。
暗記すること自体は悪いことではありませんが、ちゃんと理解して覚えると良いですよ!
スポンサード リンク
もくじ
◆ 体の一部を表すthe
◆ 名詞が省略されているのでthe
◆ 比較級でも唯一ならthe
スポンサード リンク
体の一部を表すthe
「動作の対象として体の一部を表すときにはtheがつく」と説明されることがありますが、これも「話者の間で共通の理解がある」と考えることができます。
例:She patted me on the sholder. (彼女は私の肩をたたきました)
普通の人間には当然「肩」があるので、誰にでもあって共通のイメージのある「例の肩」をたたかれた。ということです。
これを"on my sholder"にすると、「誰もが肩を持っているわけではないけど、私は持っている肩」をたたかれた。という内容を、
また、"on a sholder"にすると、「多数ある肩の中から無作為に選んだ1つの肩」をたたかれた。という内容を暗示することになります。
これらはどちらもノーマルな人間では考えにくい状況なので、普通の文法問題では間違いとなります。
名詞が省略されているのでthe
「the+形容詞」で、名詞の働きをすることがあります。
これは後ろにpeople, ones, thingsなどの名詞が省略されていると考えられます。
例:
The rich (people) are not always happy. (裕福な人は必ずしも幸福ではない)
Technology cound be the power not only for the good (things) but also for the bad (things). (技術は善への力にも、悪への力にもなります)
比較級でも唯一ならthe
まず、形容詞の最上級には原則としてtheを使います。副詞の最上級にもtheを使うときは多いです。
これは、最上級ならば自動的に唯一の人や物を指すことになるからです。
これと同じイメージで、比較級のときにもtheを使うことがあります。
比較級なのに唯一の人や物を指す場合です。
それは・・・2人や2つを比較して言う場合です。
1つを主語にすると、比較対象は残り1つしかないので、唯一のものとなってしまい、theを用いるのが適切となります。
例:The latter half of the story was interesting. (後半はおもしろかった)
He is the younger of the two. (2人のうち若いのは彼です)
まとめ
・人間の体はたいてい誰でも同じ構造をしているので、共通のイメージがあり、theを用いる
・the+形容詞は、名詞が省略されている
・最上級や比較級でtheを用いるのも、やはり唯一の(特定の)ものだから
いかがでしょうか?「なるほど!確かにその通り!」と納得できましたか?
質問やリクエストなどありましたら、何でも構わないので、お気軽にご連絡ください。