基本的な現在完了形の形と意味

多くの参考書には、現在完了にはたくさんの異なった用法があるかのごとく書かれていますが、まずはそんな用法を無理に覚えるより、自然な日本語訳をしようと心がけるのが良いです。
どんな状況で、何が起こっていて、何を伝えたいのかなるべく具体的にイメージしましょう。 そうすれば、結局はその異なった用法を自然に使い分けることになります。

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もくじ

◆ 現在完了の形と意味

◆ forとsinceの使い分け

◆ 例1〜例4


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現在完了の形と意味

現在完了は「have + 動詞の過去分詞形」の形で表します。
過去のある時点から現在までに起こったこと、続いていることなどを表し、典型的な日本語訳は「〜してしまった」「〜したことがある」「〜したところだ」などになります。

たいていの参考書には「継続」「経験」「完了・結果」などの「用法」がある。と書かれています。
しかし、そんな「用法」を無理に覚える必要はありません。
とにかく、大事なのは時間についてのイメージが「過去のある時点から現在まで」であるということです。

現在完了の文であることがわかったら、考えの出発点をいつも「過去から現在まで」の広がりのある時間でイメージしてください。
そうすれば、文脈から自然と「〜してしまった」「〜したことがある」「〜したところだ」などの使い分けができるようになるはずです。

ちなみに、動詞の過去分詞形は、規則変化動詞では過去形と常に同じく"〜ed"となります。
不規則変化の場合は、ある程度の法則性はありますが、それぞれ個別に覚える。と考えた方がよいと思います。


forとsinceの使い分け

現在完了は「have + 動詞の過去分詞形」の形で表し、過去のある時点から現在までの時間をイメージする。と説明しました。

この広がりのある時間を表すために、現在形や過去形などとは違った時間の表し方が必要になります。
その代表例が、forとsinceです。
forとsinceは次のように使い分けます。

・時間の長さを言いたいときは、for
・始まった時刻、時期を言いたいときは、since

例えば、「2年間続けている」内容を表したいなら、"for two years"でもいいし、"since two years ago"と言うこともできます。
どちらでもほぼ同じ内容です。

まずは、現在完了形は「have+過去分詞」で、forやsinceを使う。とイメージしておくと良いと思います。

では、いくつかの現在完了形の文の意味を考えていきましょう!


例1 I have lived in Japan for five years.

現在完了の文は、文法的な説明だけではなかなか納得しにくいと思うので、例文をいつもより詳しく解説します。

「have lived」で「have + 過去分詞」の形になっているので、現在完了です。
ということは、時間は「過去から現在まで」のイメージになります。

動詞は「lived」なので、基本的には「住む」みたいな内容のはずです。
これを「過去から現在まで」のイメージで考えると、過去のある時点で「住む」という行為が始まって、現在も続いているような気がします。

「for five years」の部分は「5年間」と、時間の長さを表しています。
現在完了では「for 〜」で、動作や状態が続いている時間の長さを表します。

そのようなイメージを日本語で表現すると・・・

「私は日本に5年住んでいます。」

このようになるはずです。


例2 He has lived in Japan since five years ago.

例1と似た文ですね。

「has lived」で「have + 過去分詞」の形になっているので、現在完了です。
ということは、時間は「過去から現在まで」のイメージになります。
ちなみに、主語が三人称単数の「He」なので「have」は「has」になっています。

こちらも動詞は「lived」で、過去のある時点で「住む」という行為が始まって、現在も続いているようなイメージになります。

こちらは時間を「since 〜」で表しています。
これは、述語動詞の行為が始まった時間を示すときに使います。
ので、内容は例1とほぼ同じですが、表現の仕方はちょっと違います。

「彼は日本に5年前から住んでいます。」

このように訳することができるでしょう。


例3 She has already finished the lunch.

「has」と動詞の過去分詞形「finished」の間に「already」が入っています。 が、「have + 過去分詞」の形になっているのは違いないので、現在完了です。
ということは、時間は「過去から現在まで」のイメージになります。

動詞は「finished」で、過去のある時点から現在まで「終わる」という行為が続いている・・・とおかしいですよね?(笑)

「終わる」または「終える」という行為は、例1,2の「住む」という行為とは違って、普通は続くことができません。
昼食はある一瞬に食べ終わるのであって、食べ終わる瞬間の直前までは、まだ終わっていないわけです。
また、食べ終わった瞬間の直後には、すでに過去のことになっています。
ということは、「食べ終わり続ける」ことはできないはずです。

それならば、時間が「過去から現在まで」で「終わる」ということは・・・

「過去から現在まで」の間に・・・「finish」した。

つまり、「過去から現在まで」の間に「食べ終わった」のだな。と推理できます。

ということは・・・

「彼女はもう昼食を食べ終えました。」

このように訳せるはずです。


例4 He has seen the movie many times.

主語が三人称単数なので「has」なっていますが、この「has」は「have」と働きは同じです。
それならぱ、これも「have + 過去分詞」なので、現在完了形です。

「see(見る、会う)」を過去から現在までの広がりのある時間のイメージにしてみると、「見たことがある」となりそうです。

また、「時間」という意味でよく知られている「time」ですが、この場合は違った使い方をしています。
ここでの「time」は「回数、倍」のような意味になります。「many times」で「何回も」のような意味になります。
まとめると、

「彼はその映画を何回も観たことがあります。」

というかんじになりますね!


まとめ

・現在完了形は"have+過去分詞形"
・「〜したことがある」「〜してしまった」「〜したところだ」などの意味を表す
・いくつかの用法があることになっているが、意味をよく考えれば自ずと正しい用法を選ぶことになる
・時間の長さはfor, 始まりの時期はsince


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