やる気こそが最強の武器

「偏差値30だった生徒を偏差値70にした」

このように成績の悪い生徒の偏差値を劇的にあげたといっている講師はたくさんいますし、わたしも、たとえば、つぎのようなことをしたことがあります。

・中学3年の夏までずっと部活で勉強を一切してこなくて、入塾したときは偏差値30くらいだったが、偏差値65近くにまでになった
・偏差値でA、B、Cとクラス分けして、Bクラスを担当。半年後、Aのクラスの平均偏差値を抜いた
※Aクラスの講師は、わたしも学生のときに教わっていたベテランの講師でした。教え方が悪いわけではなく、わたしが、ある受験テクニックを使いました。その受験テクニックの話はまた別の記事にします。

確かに講師が一生懸命教えたから、また教えるテクニックがあったから、このような「奇跡」が起きたのだとは思います。
しかし、本当にそれだけなのでしょうか。
よくよく考えると、偏差値が一気に伸びた生徒は授業の前後に、よく質問してきましたし、補習が必要なくても居残って勉強していました。
ほかの生徒とは比べ物にならないくらい、やる気があったのです。

平均偏差値を追い抜いたときも、確かに受験のテクニックを用いましたが、授業中にくだらない話をして笑わせて、大学に行くメリットなどを話していたため、うちのクラスは、ほかのクラスよりもやる気に満ちていたと思います。

「苦手」に苦しむ生徒を「得意」に変えるために必要なもの。
それは、もちろん教えるテクニックも大切ですが、生徒たちの「やる気」も重要なのです。

大手予備校の人気講師のように、いくら入試で得点をとれる効率的な教え方をしても、生徒が講義の内容を生徒が吸収するかどうかは話は別ですし、そのような講師が生徒にたとえば「英単語1万語を覚えなさい」と言ったところで覚えないでしょう。
その一方、生徒が自らが「勉強したい」と思っていれば、たとえ教え方が下手でも、生徒自ら勉強しますし、英単語もガンガンに覚えます。

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やる気を出させるには「知識欲」を刺激することが大切

学生のころ、「F Cl Br I」のハロゲンを「ふっくらブラジャー、いい匂い」(※(F)ふっ(Cl)くら、(Br)ブラジャー、(I)いい匂い)などと、下ネタで学んだことがあります。
男性は大爆笑。
下ネタのところだけは、男性は満点だったそうです。
下ネタというのは、やる気を起こさせるようです。

わたしが講師をしていたときは、くだらない話をして笑わせて、大学に行く意義、いったときの生活などを語ったりして、生徒のやる気を引き出していました。
講師にいい印象をもってもらったり、未来像を示したりすることでやる気を引き出すこともできるようです。

しかし、実は、このように引き出したやる気はすぐになくなってしまいますし、特に下ネタは、笑わせたところしか勉強しません。

やる気を持続させ、生徒自ら勉強しはじめるようにするには別の方法を使う必要があります。
どのようにすればいいのでしょうか。

人の本来持つ欲求である「知識欲」に訴えるといいようです。
わたしの講師の経験だけではなく、心理学などでもそのようにいわれているようです。

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「知識欲」を刺激するには「わかる!」を連発させることが大切

知識欲を刺激するのは、「理解」させることです。
具体的には、生徒に「わかる!」を連発させるといいでしょう。
しかし、これが意外に難しい。
なぜなら、これだけ娯楽があふれている世の中では、勉強よりも、もっと面白いことがたくさんあるためです。
そのため、わたしは本では、たとえば、つぎのような工夫をしています(ほかにも工夫しています)。

・「可愛いイラスト」「漫画」「図解が豊富」など、何でもいいので、まずは興味をもってもらい、手にとってもらい、「あ、簡単かも」と感じてもらう
・今までつまづいていたことがわかるようになり、「わかる!」を連発させ、先に読み進めてもらう
・たとえば、繰り返しのテクニックを使って暗記する必要をなくすなど、最後まで読めて、「すこし好きかも」と思ってもらえる工夫をする

要は、本を手にとり、ペラペラとページをめくるうちに、「好き」「面白い」「わかる」のプラスの感情を引き出せるようにしています。こうすれば知識欲が刺激されて、「自ら勉強する」ための第一歩となりますから。

確かに、このような本のつくりにすると、「網羅性(学ぶべきことがすべて漏れなく掲載されているという意味です)」「正確性(わかりやすさを優先しているため、大雑把に解説しています)」などが欠けてしまいます。
しかし、それはそれでいいのではないかな、と。
網羅性、正確性がある、有名な英語の参考書に「Forest」がありますが、英語が苦手な人が開くと、ますます英語が嫌いになってしまいますから(英語ができる人にはおすすめの参考書です)。
英語が好きになってから、網羅性、正確性などのある参考書を読めばいいですし、好きになってから読むほうが吸収もしやすいものです。

わたしは、このようにして知識欲を刺激して、本を通じて、やる気を引き出そうとしています。

まずは本を読んでみてください

「英語を得意にしたい」と思っている学生、「英語をやりなおしたい」と思っている大人など、「やる気」を出したい人たちは、まずは、わたしの本を読んでみてくだい。
きっと、やる気がでてきます。

教育者など、英語が苦手な生徒のやる気を引き出したいと思っている人たちは、生徒にわたしの本を読ませてみてください。
きっと、勉強するきっかけになると思います。

・中学英語から苦手だった!
→可愛いイラスト・デザインの本がいいのなら『基本にカエル英語の本』(スリーエーネットワーク)がおすすめです。講義風の本がいいのなら『もう一度中学英語』(日本実業出版社)がおすすめです。

・中学のときは英語はそこまで苦手ではなかったけど、復習したほうがよさそう
→『ゼロから始める!大人のための中学英語』『たった10語で話せる!大人のための中学英語』(高橋書店)のシリーズがおすすめです。

ついでに――。

・数学は大嫌い!税抜き価格、3割引とかも計算できない!
→『0(ゼロ)からやりなおす中学数学の計算問題』(総合科学出版)がおすすめです。

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